多読を継続するために最も重要な3つの原則をご紹介します。 これらの原則を守ることで、楽しく継続できる英語学習が実現できます。
多読では、自分のレベルに合った本を選び、辞書を引かずに読み進めます。 分からない単語は文脈から推測するか、飛ばして読み進めることで、読書を楽しむことができます。 都度辞書を引いて読むと、読書の流れが途切れ、ストーリーを楽しむことができません。 その結果、英語学習自体が苦痛になり、継続が難しくなってしまいます。 辞書を引かないことで、英語を英語のまま理解する力が自然と身についていきます。
分からない単語があっても、以下のような手がかりから意味を推測できます。
特に絵本や児童書では、イラストや写真が単語の意味を理解する大きな手がかりになります。 文章の内容と絵を見比べることで、自然と単語の意味が分かってきます。
分からない単語の前後の文章から意味を推測します。 特に、butやhoweverなどの接続詞や、例示を表すfor exampleなどの表現は、文脈を理解する重要な手がかりです。
知っている単語を手がかりに、文全体の意味を組み立てます。 1つの文で分からない単語は1-2個程度が理想的です。 たくさんの単語が分からない場合は、少し易しい本を選びましょう。
物語の中での登場人物の行動や感情の流れから、分からない単語の意味を推測できます。 例えば、笑顔で言った台詞なのか、怒って言った台詞なのかで、単語の意味を絞り込めます。
"The cat purred happily in my arms."
→ 猫が「幸せに私の腕の中で○○した」
→ 文脈から「purred」は「ゴロゴロ鳴く」と推測できる
理解できない部分があっても、そこで止まらずに読み進めます。 完璧に理解しようとすると読書が苦痛になり、継続が難しくなります。 分からない部分は飛ばして読むことで、読書を楽しみながら英語力を伸ばすことができます。
分からない部分で立ち止まってしまうと、以下のような問題が起こります:
母語である日本語でも、小説の中の専門用語や難しい漢字は飛ばして読むことがあります。 英語の読書でも同じように、分からない部分は気にせず先に進むことが大切です。
以下のような方法で、無理なく読み進めることができます:
このように読み進めていくと、最初は不安かもしれませんが、 次第に文脈から意味を推測する力が身につき、自然と理解できる部分が増えていきます。 また、同じ表現が物語の中で繰り返し出てくることで、自然に理解できるようになることも多いです。
難しい文章があっても、
「ここは分からないけど、主人公が冒険に出かけたんだな」
という程度で読み進める
興味が持てない本や面白くない本は、無理して読む必要はありません。 楽しく読める本を選ぶことで、自然に読書時間が増え、継続しやすくなります。 1冊の本が合わないと感じたら、すぐに別の本に切り替えることをためらわないでください。 図書館なら無料で多くの本を試せますし、電子書籍なら冒頭の試し読みで内容を確認できます。 多読の目的は英語力の向上ですが、それは楽しみながら読書を続けることで自然と達成されます。
面白くない本を無理に読み続けることには、以下のような問題があります:
多読では、「読書を楽しむ」ことが最も重要です。 面白くない本を我慢して読むより、別の本に変えることで、より効果的に学習を進められます。
楽しく読書を続けるために、以下のような工夫ができます:
最初は試行錯誤が必要かもしれませんが、自分に合った本を見つけることで、 読書が楽しみになり、自然と英語力も伸びていきます。
・好きな日本語の本の英語版を探す
・映画化された本を読んでみる
・図書館の英語多読コーナーで実際に中身を確認する
・多読仲間からおすすめを聞く
辞書を使わず推測しながら読むことで、英語を英語のまま理解する脳が作られます。 日本語に翻訳せずに英語を理解できるようになります。
完璧を求めず、楽しい本を選んで読むことで、自然に読書時間が増えます。 苦痛を感じることなく、長期間続けられる学習法です。
特別な暗記や文法勉強なしで、自然に語彙力や読解力が向上します。 無理なく、楽しく英語力が身につきます。
文脈から意味を推測する力が身につき、未知の単語や表現にも対応できるようになります。 実践的な英語力が養われます。
多読三原則は、1987年に酒井邦秀氏(当時:中部大学工学部教授)によって提唱されました。 酒井先生は、工学部の学生たちの英語力向上のために、母語習得の過程を参考にした多読学習法を研究・実践し、 その中で効果的な学習のための3つの原則をまとめました。
2000年代に入り、多読三原則は日本の教育現場で広く認知されるようになりました。 特に、国際多読教育学会(Extensive Reading Foundation)の設立(2004年)以降、 多読の実践研究が活発化し、その中で多読三原則の有効性が実証的に示されています。
参考文献:
・酒井邦秀『快読100万語!ペーパーバックへの道』(ちくま学芸文庫, 2002年)
・酒井邦秀, 神田みなみ『教室で読む英語100万語』(大修館書店, 2005年)
・国際多読教育学会(ERF)公式サイト